古民家再生リフォーム(岐阜県美濃加茂市)
古民家店舗&居住部分
歴史ある町中山道は江戸時代に宿場町として栄えていました。その後、後継者の衰退などから賑わいが衰えてきたのですが、最近になり技術を持った職人たちが自分の店を構えるため中山道に店舗が少しづつ増えてきています。
こちらは呉服屋として栄えていた永楽屋さん、革製品を製作する職人が借り受け店舗改装を施しました。立派なお屋敷で見たこともないような太い梁、広々とした座敷に床の間の設いで商いが裕福に営まれていたことが窺える造りです。
手を加えすぎず歴史の面影を残した改装が、地域の方や永楽屋の商いに力を尽くしてきた方への礼儀や思いやりと信じた店主の改装でした、とても感銘を受けました。
店舗側の補修部分は新しい材料を使用せず、解体した古材をうまく利用し違和感が出ないように仕上げました、古材では無理なところは古色の自然オイルを塗布しています。
どこを直したのかも分からない程自然です。
商人は店に重点を置き住まいは日の当たらない寒い奥部屋に位置するのが昔の考えですので、居住部分は隙間風が通り台所部分に当たってはプラスチックの波板屋根で鳥が侵入できそうな大きさの空間空いていました。
断熱材を入れれる箇所には入れ、床や壁の歪みを直し生活しやすく改装しました。
築87年のお屋敷と聞いています、改装もやるとどこまでもきりがなく大きな費用が発生してしまうので、予算を決めての工事でした。
もともと商いをされていたので古民家店舗という言葉はふさわしくないのかもしれませんが、歴史あるお屋敷での革ジャンショップ、とってもカッコイイです。
店主は真面目で誠実なご夫婦です。
ミシン等の機械が入る作業場。
樺材の無垢板を古色の自然オイルで塗装。
シロアリの被害のあった床
昔の玉石基礎や皮付の柱はシロアリの被害に遭いやすく、築87年のこの家もシロアリの被害が大きくありました。
大引き入れ替え
シロアリの被害のあった大引きは破棄し被害のなかったものは残しています。
大引きを順に入れ、木の束は鋼製の束に替えシロアリの侵入を防ぎます。
シロアリ駆除の薬剤も塗布しました。
古材を使った棚
キッチン横にできてしまうデッドスペース、古材を利用して造り付けました。
料理の一時置き場でもよいし、庭を眺めながら読書も良いですね。
あの木には小鳥がよくとまるんです。
補修作業
色アリの被害のあった大引きという柱を交換し、既存の木の凹凸を木どり、ノミで補修作業していきます。
柱を補足
柱の床下部分に白アリの被害があり、耐力が無い状態のため耐力を補うため、手前に柱を建てました。仕上がりに見える柱なので、その後古色の自然オイルを塗布して他の木部と違和感なく合わせました。